floristlife.com
floristlife.com

FLORETTA/石田桂
・ ・ ・
― お花を始めたきっかけ ―
お花を始めたきっかけは特にないんですけれども、たまたまですね。(笑)ただ、うちはわりと花がよく飾ってある家庭でした。祖母がいけ花の先生でしたし、母も庭の花を綺麗にしたり、常に家の中に花がある状態だったので、無意識のうちに関心があったのかもしれないです。花がある生活をするのが当たり前っていう感じだったんだと思います。
 
「FLORETTA」石田桂
今回のインタビューは、雑誌「BEST FLOWER ARRANGEMENT」にも度々登場する「FLORETTA」の石田桂さんです
Photos : Yukiko Kobayashi
Audio-typing : Akemi Mori
それに今考えてみると幼稚園の時から夢というか、将来なりたい職業が「花屋さん」。でも本当に花屋さんになるつもりではなかったんですけど。具体的にフラワーアレンジメントを始めたのは、大学卒業して会社勤めしていた時なのですが、比較的忙しくない会社で時間に余裕があったので、仕事が終わった後に何かをしたいと思って体験レッスンを探しました。
・ <>
FLORETTA/石田桂
市場で仕入れたお花の下準備
  当時はインターネットがあまり普及されていなくて、『ケイコとマナブ』が創刊された頃か、売れ始めた時期だったんです。その雑誌でお花の教室を探しました。最初は表参道のE.L.F.フラワースクールに3ヶ月ほど通って、お花ってすごく面白いな、楽しいなと思いました。また、いろいろなお花を知ることが出来たし、自分に合っていると感じました。その時初めて八重咲きのトルコキキョウを見て綺麗だなと思ったことを覚えています。その後、今度はきちんとテクニックなどいろいろ教わりたいと思って、コンスタンス・スプライ・フラワースクールの日本校に約3年ぐらい通いました。
会社を辞めて本校のイギリス本校へ留学するのはちょっと無理でしたので日本校にしました。ここで学んだのは今の私の技術の基礎の基礎。理論的にきちんと説明をして教えてくれたので非常に良かったです。これからお花を習いたいという方には皆さんオススメです!コンスタンス・スプライのイギリス本校だと短期集中の3ヶ月〜半年くらいのコースがあって、全寮制に入学すればすぐ卒業できるんですけども、会社勤めをしながらスクールに行くのが週に1〜2回ですから、カリキュラムの消化とディプロマを取るまでに3年かかりました。
<> ・
― 独立まで ―
大学の専攻が法律だったので、当初は法曹関係の仕事に転職しようと考えていて、司法試験対策の専門学校にも通っていました。フラワーアレンジメントはあくまでも趣味として楽しむつもりだったのですが、花のほうが楽しいし向いていたので、いつの間にか本気になっていたという感じです。独立する前には現場実習の意味も含めて、フラワースクールのアシスタントをしたり、ブライダル専門のフローリストさんのお手伝いをしたり、青山の大手花店でアルバイトをしたりと地道に下積みを続けました。
  FLORETTA/石田桂
自由ヶ丘の「ART of LIVING」にて活け込み中
その大手花店で、クリスマス前にポインセチアの鉢物を売り切らなくてはいけなくて、寒空の中、新宿の仮設店舗みたいなところで夜9時過ぎまで売り続けて、完売させた経験もあります。独立しようと決めてからアルバイトや週末のお手伝いを辞めて、派遣で1年みっちり働いて独立資金を貯めました。
・ ・ ・
FLORETTA/石田桂
アレンジメント中でも周りを汚さないのもこだわりのひとつ
  1年後予定通り派遣を辞めてフローリストとし、レッスンと活け込みを始めました。広告はホームページだけなんですが、ホームページも自分で勉強して全部自分で作りました。私は、なんでも自分でやるのが好きなんです。活け込みのお得意さまも全部紹介なんです。
1ヶ所紹介していただいて活け込みすると、そこに来て私のアレンジを見た方が気に入ってくださって、またそこで活け込みのお客様が増えるという感じですね。フリーの方はみなさん紹介が多いのではないでしょうか。業種としてはインテリア系のお店や、アパレル関係、宝飾品関係です。

<> ・
― 現在 ―
生徒さんが増えた今、ここまでFLORETTAが大きくなれた理由を自分で判断するならば、やはり「継続は力なり」でしょうか。続けることに意味があったのだと思います。あとは、基本のスタイルはあっても常にその時々に流行に合わせて変化をさせたり、新しい提案をすることが大事だということ。あとは、お花を教えるということはつまり、「花のあるすてきな生活を提案する」ことでもあるので、例えばお花以外の部分でも、レッスンの後に生徒さんにお菓子を出すのですが「このお菓子おいしい!」と、お花を習っている時間そのものを楽しんでもらいたい、という発想が良かったんじゃないでしょうか。
<> FLORETTA/石田桂
綺麗な色のあじさい。明日のレッスンで使います
西麻布の時からいらしてくださる生徒さんもいるんです!「気に入ってくださってありがとうございます」という感謝の気持ちでいっぱいです。これだけ長くお付き合いがあると生徒さんも私の成長を見ている感じですよね。私がよく使うお花も生徒さんに「あぁ、先生は今これにはまっているんだ」と分かるみたいですね。(笑)
・ ・ ・
FLORETTA/石田桂
週2回くらいお花の仕入れに大田花き市場へ行きます
  ― こだわり ―
まず自分で花を選んで仕入れをしていること。どんなに忙しくても、必ず自分で市場に行きます。その時々で状態のいいものとか、違ってくるので、目で確認しないと気がすまないんです。あと、よく「色が綺麗ですね」とか「色合わせが好きです」と言われることがあるのですが、もともと私、色が大好きなんです。
意味もなく色鉛筆を集めたり、意味もなくリボンを集めたりとか、小さいときから絵を描くのは好きじゃないけど、塗り絵は大好きという根っからの「色好き」なんです。だから今でも発色が綺麗な雑誌「marie claire idees」を切り抜いては色々な色の組み合わせでコラージュを作ったりして、色遊びをしています。私は目が敏感なのか四季の太陽光線の加減によって色の好みが変わるんです。春になるとピンクが好きで、夏になると青が好きで、秋になるとちょっとダークな茶色が好きで、冬になると冷たい感じのシルバーとか好き。南の国に行くとオレンジが綺麗なんですよ。 また、心掛けていることは、常に新しいものに興味を持つこと。いいなと思うものは取りあえず取り入れてみる。多少自分のスタイルと違うなと思っても、とりあえず1回やってみる。
<> ・
それから、ある程度この仕事をフリーでやっていると、自分のスタイルも出来上がるし、好き嫌いも出でくるんですけれども、あまり殻にとじこまらず、何でも柔軟に試してみようというのが必要かなと思っています。なぜなら私はアーティストではなくて、デザイナーですから。つまり相手が良いと思うものを作る仕事なので、決して個性を売るアーティストではない。
  FLORETTA/石田桂
お気に入りの雑誌「marie claire idees」と自分で作ったコラージュ
だから、生け込みのお得意様もアジア雑貨や、宝石屋さんなので当然シチュエーションに合わせて違うものを作ります。アジア雑貨の場合であれば、求められているものがエキゾチックなものだったり、ちょっと個性的なものだったり。求められたものを、適格に判断して作るためには、いろいろ見たり聞いたり試さなきゃいけないと思っています。

・ <>
FLORETTA/石田桂
前日のレッスンで作ったイングリッシュローズのブーケ
  ― 将来について ―
今後、提案していきたいのがエコロジー、たとえばオアシスを使わないフラワーデザインなどの提案です。オアシスがリサイクルのできない石油製品で出来ているってご存知でしたか?オアシスって「簡単・便利・軽い」なんですよね。今となってはアレンジメント=オアシスという方程式が出来上がっているのですが、コンスタンス・スプライはオアシスがない時代から、三角形のアレンジメントなどを作っているので、そういうテクニックはあるんです。もちろん私はその作り方も習っているし、知っているのでまずはそこから始めたいと思っています。
やっぱりお花は、花瓶に水たっぷりで生けたほうが圧倒的に持つし、オアシスはそんなに保ちが良いかいうと特に保つわけではないんです。ただ、オアシスがあると花は固定しやすいじゃないですか。確かに大きい装飾の時は、オアシスがないと時間的制約のために難しいんですが、でもそうじゃないお教室とか、時間の制約がない場合は工夫をして、オアシスがなくても、すてきなスタイリグができるという方法を考えて、提案して広めていけたらいいのではないかと思っています。
<> ・
花という自然の恵みによって生まれる植物を扱うのに、環境に良くないことをするのはフローリストとして相反すると思うんです。あとは、生産者さんの方々で、無農薬栽培などの取り組みをされている方がいっぱいいるんですよ。なので、そういう環境に優しい活動を私の出来るところからやっていきたいなと思っています。 <> FLORETTA/石田桂
全体の雰囲気を見ながら活け込みのアレンジを考え中
また将来の希望としては、もうちょっと身近に花を楽しむすべを発信できるような手段が得られたらいいなと思っています。例えば本を出すことでもいいし、どこかで講演することでもいいし、NHKの趣味の園芸に出てみたいかなと・・。
・ <>
石田桂
愛犬「ひじき」と散歩。充実した時間
  ― 休日の過ごし方 ―
休日は愛犬アメリカン・コッカー・スパニエルの「ひじき」と散歩しながらカフェでお茶です。食べ物のひじきのように真っ黒なので「ひじき」と名づけました。(笑)昔から実家でもアメリカン・コッカー・スパニエルを飼っていたので、「ひじき」のいない生活は考えられません。長い休暇の時には、ダイビングをしに行きます。パラオとか海外も潜りましたけれども、最近は沖縄や小笠原が気に入っています。私外国が好きそうに見られますが、実は日本大好きなんです!海が綺麗ですし、ごはんも美味しいし、言葉も通じるし、治安がいいし。
今年の夏に、西表島に行きました。西表島は沖縄なのですが、ちょっと独特の雰囲気で楽しかったです。海の透明度も高いし、陸にはマングローブの森があって自然がすごく豊かでした。サガリバナも見ましたがとても幻想的でした。自然と触れ合うって大事ですね。

― これからお花を始める方へのメッセージ ―
まず、楽しもうと思って始めようとしている方は、自分の好きなスタイルは何だろう?とよく考えてください。雑紙を見たり、いろいろお花の本を見たり、体験レッスンを受けたり。そして学校を選んで始めてください。
<> ・
やっぱり最初に習ったところで、花に対する感覚って相当変わるものなので、後から修正しようと思っても、結構時間がかかってしまうので、まずはじっくり自分に合うなと思う、お花の教室を体験レッスンにいろいろ行って、納得してから始めてください。そのほうが長く続くことができるし、充実できると思います。   FLORETTA/石田桂愛犬「ひじき」用のドッグベッド。可愛いおもちゃも沢山あります
なので、是非FLORETTAの体験レッスンに来てください♪
本気で仕事にしたい方はまず、車の運転ができるようになってください。手伝いたいとかアシスタントをやりたいという方がたまにいらっしゃるんですけれども、運転できない方が多いんですよ。なので、まずは運転ができるように。
それからお花の仕事は、見た目は美しいですけれども、やっぱり肉体労働なのでちゃんと食べるように。ちゃんと食べて動けるように。あとはどんな人でもやろうと思えばできます。

Favorites
[ 好きな色 ]
「白」です。
カラーコーディネートでベストカラーも「白」と言われたんです。ベストカラーで「白」は珍しいらしいんですけど。

[ 好きな花 ]
すずらん。すずらんは昔から実家の庭に咲いていたのですが今でも大好きです。

[ 好きな作家 ]
三島由紀夫。現代作家だと、ちょっと俗っぽいんですけど、村上龍。
三島由紀夫の流麗な文章と美しい日本語が好きです。

[ 好きな料理 ]
フレンチ好きですけど、エスニックやスペイン料理のタパスとかみんなでつまんで食べられるものも好きです。

[ 好きな雑誌 ]
「marie claire idee」
ideeのほうは雑貨・インテリアの小物系なんですが、それが好きです。

[ 好きな場所 ]
横浜。
うちの実家から見える横浜港の花火が好きです。

[ 好きな言葉 ]
成せば成る。と言うのも自分が「成せば成ってきた」からでしょうか。

From Editor
石田さんとお会いして思ったのは柔軟に見えて、実はとても芯が強い方という印象でした。どんなに沢山の情報を取り入れても自分で取捨選択できる強い判断基準と、生まれつき持ったセンスの良さが人から愛される作品を作っているのだなぁと感心しました。今回は大田花き市場から活け込み先まで同行させて頂き、とてもワクワク楽しい1日でした!!
この度はご協力いただきまして、誠にありがとうございました。
■写真左-石田さんと「ART of LIVING」のスタッフ市毛さん
■写真右-「karako 自由ヶ丘店」スタッフの本谷さんと小嶋さん。ご協力ありがとうございました。

      〜 フローリストライフ編集長・小林夕希子 〜
FLORETTA/石田桂



Floristlife.com
floristlife.com