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Home > フローリストインタビュー > NO.011 伊藤なお美「フラワースペース」


「フラワースペース」伊藤なお美
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Flower Space
今回のインタビューは、ウェディングやディスプレイをメインに活動している目黒の「フラワースペース」伊藤なお美さんです
Photos : Chie Hayashi
Audio-typing : Akemi Mori
  ― お花を始める前 ―
子供の頃から将来の夢は「手に職をつけたい」と思っていたんです。 中学の時になりたかったのは「美容師」、高校の時には「ケーキ職人」になりたかったんですが、どれも学校の先生に反対されて結局短大に進学したんです。  その後すっかりやりたい事を忘れてしまって。 周りのみんなも就職するし、と思って私も就職して普通にOLとして4〜5年勤務したんですよね。その頃機内の通訳になりたいと思って英語の勉強を始めたんです。
その練習にと思ってスチュワーデスの試験を受けたら偶然受かったんですね。 じゃぁそっちで行こうって。 結構流れに身を任せてる人生なんです。(笑)
それでスチュワーデスとして香港に住んで国際線の乗務員になりました。 その後2年間スチュワーデスとして一生懸命働いたらちょっと疲れてしまって、日本に帰ってゆっくりしようと思って戻ってきたんです。
のんびりパン屋さんでバイトしようか、とか陶芸でもやってみようかとか。 実は私、全くお花に興味なかったんですよね。(笑)
  「フラワースペース」伊藤なお美
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― 遅いスタート ―
スチュワーデスを辞めて日本に帰ってきて、何をやろうかなと考えていたときに雑誌でお花の教室の広告を見たんですよ。 無職だし時間はあるじゃないですか。 とりあえず行ってみようかなと思って行ったのがお花との最初の出会いでした。 私にとってはお花が本当に始めてで、その時はこれがバラでこれがユリ、程度しか分からなかったですね(笑)
そのお花の教室に3ヶ月通ったんですけど、そこで知り合った友達がとても良かったんですね。
今でも付き合いがあるんですけど、その子達が花に対してとても一生懸命だったんですよ。
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「フラワースペース」伊藤なお美   鹿児島から来ている子や、岡山から来ている子。みんな本気モードだったから私もそういうスタンスになったわけです。
あれがお金持ちのお嬢様や主婦の趣味程度だったら、私もそれで終わったと思うんですよ。 でもその時はまだ将来お花の仕事をしようとは思ってなかったんですよね。 ただ自分はスタートがものすごい遅いというのはわかっているのけど、周りの友だちは何年もやってて自分よりも上手だというのがすごく悔しくて。 私一度やり始めると「負けず嫌い」なんですよ。(笑)
でもお花って続けるのにお金が掛かるんですよね。だから時給のいいバイトを紹介してもらって、バイトしながら通っていました。 次は「ブライズ」さんのブーケ専門コースに通いました。 こちらでは仕事としての花の扱い方や基礎をしっかり教えていただきました。 そして、もっと違うものもやりたいなと、もうちょっとレベルアップをしていきたいと思うようになりました。
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― 花太郎さん時代 ― 
その後友人達に色々な情報を教えてもらう中で「保坂桂一」さんというアーティストの事を知りました。彼の作り出す花を見たとき「これがいい!」って思って彼の教室に行き始めました。 彼は大きな現場が多かったので、お手伝いに行くことも出来ました。
<> 「フラワースペース」伊藤なお美
そこで得た経験は結構大きかったかもしれないですね。  3年ぐらい保坂さんの元で学んでいる間にフリーランスの活動を始めよう!と思い、少しずつドレスショップに営業に行って、お客様をご紹介いただいてブーケなどウェディングに関わる仕事を始めました。
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― フラワーショップ・ノンノ時代 ―
お店の経営の流れとか、お店じゃなくても事務所の規模でやっている仕事の流れが知りたいし、もうちょっと大きい仕事を受けたいと思うようになって、じゃあそういうのを覚えるにはどうしたらいいんだろうと思った時につちやむねよしさんという方に話をしてみたんです。そうしたらちょうど「若すぎない(笑)ある程度人をまとめられる人」を募集しているから、と言われてそこに入ったんです。
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「フラワースペース」伊藤なお美   その時には「ここを出たら独立しよう」という気持ちでいました。 だから働くのは2〜3年です、という約束をして。 でもその代わり、いる間は一生懸命働きます、といって入って。
そこで本当に、多少何かとっぴな注文を言われても自信が揺るがないぐらいまでのレベルの高い仕事は覚えられたので本当に感謝しています。
土屋宗良さんのお店は市場に入ってくるお花のほぼ全種類を仕入れています。 だから、この花はどうやって扱ったらいいかとか、この花はいつ頃来るとか、どこから来るとか、
どういうのが良い花だというのはすべて覚えられる。またそこでは人脈が作れたのでそれはすごく良かったかなと思って。

― そして独立 ―
資金は自分の貯金と、親から借りた分で、融資は受けずに独立しました。
他の方はちゃんと融資を受けて、綺麗にお店を飾ってきちんとやっていますが私はお店で売ろうとは最初から思っていなかったので。 「出て行って飾る」というスタイルにしたいから必要ないと思っていました。箱があればいいと、車も足があればいい、荷物が乗ればいい、というスタンスだったんで出来るだけ資金を掛けないようにして、お金は運転資金に回そうと考えていました。
また、生け花を一生懸命やっている大家さんに巡りあえたので私の仕事を理解してくれて家賃を安くしていただいたり、駐車場代も破格だったりとタイミングと運が良かったんですね。
「フラワースペース」伊藤なお美
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独立して最初の1年目は主に資金面で不安がいっぱいでしたけれど、2年目からは順調というか何とか払えるようになって4年目の今はお陰様で続けられています。(笑)
営業回りも特にしていないんですよ、ほとんどがご紹介ですね。 紹介ですのでその方の顔をつぶさない為にも一生懸命やらなきゃと思うじゃないですか、その仕事に夢中になってて営業を忘れちゃったみたいなそんな感じです。 その仕事がまた、結果的に営業になっているというか。
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― センスの磨き方 ―
一応美術館に出来るだけ足を運んでいます。幸い近くに目黒美術館があるのですが、結構マイナーなんですけど面白い企画展やるんですよ。 チェコのイラストとか、時にはスターウォーズの衣装が飾ってあったりとか。(笑) 他の大きい美術館ではやらないような展示物を見ることが出来ますよ。

あとは町でウインドウのディスプレイはよく見ます。 ウインドウの構成自体を見るようにしています。
  「フラワースペース」伊藤なお美
ここにあれを配置して、これを配置して、これを使っているとか。 アパレルの方と組んで仕事をさせて頂いたりするので気をつけています。 お花に直接関係ない部分もいっぱいあるんですけど勉強になります。

― 休日の過ごし方 ―
時間があったらジョギングをしています。 一度インフルエンザで倒れてからはとりあえず健康第一に考えるようになりましたね。 また私の場合は特に1人なので倒れると代わりがいないですし、期日や時間が決まっている仕事だけにずらせないんですよね。
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「フラワースペース」伊藤なお美   ― 夢 ―
■鎌倉〜湘南付近に家を買ってアトリエを作ること。
■世界一周。
スチュワーデスの時は南米以外の大陸に飛んでいました。 ヨーロッパ・アジア・アフリカ・中東・アメリカ等、沢山の国々に行けた事はとても感謝しています。
今となってはやっぱりなかなか自費で行くにもそう簡単じゃないし、あの頃各国の文化を見れたというのは多分、今の自分の役に立っていると思っています。 でもそれも情報が古くなってしまったんですよ、だから更新したいし今度はまた違った視点で向かいあえるのではないかと思います。
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■ショーみたいなことをやりたいです。
ファッションショーでもなく展覧会でもなく、デモでもないんですけど。 この間、あるフランス人アーティストの個展に行ったんですけど、そこで流していたフラワーショーのビデオがとても新鮮でした。 ヘアメイクさんと組んでモデルさんも入れて、お花を持って歩かせるんです。あれは格好良いと思いました。 あれと全く同じじゃつまらないんですけど、何かお花の魅力を伝えられる新しい方法を生み出したいです。

― 目標 ―
「お花をやってて良かったな」と思えることでしょうか…。
  「フラワースペース」伊藤なお美
まだ自分が何がやりたいかというのが本当は見えてなくて、それができてないっていう気持ちがある。 私が作るものは普通だなって自分で思うんですよ。 やっぱり「あ、この作品あの人のだよね」って思われるほど強い個性ではないと思うし、今のところ模索中…。

― フローリスト・フラワーデコレーターを目指す方へ ―
根性ないとやれないと思うんですよねやっぱり。(笑) フラワーショップ・ノンノにいた人達みんな根性ありましたねぇ。 クリスマスの時期は1ヶ月のうち4回しか家に帰れないこともありました。一週間分の荷物を持って行ってみんなで雑魚寝。 普通そんなのいやだと思うし、並大抵の根性や覚悟がないと出来ないと思います。 どこを目指すかにもよりますが、お花の仕事とひとくくりに言ってもいろんな仕事があるから。 例えば駅前のお花屋さんでお花を売るのか、お家でお花の教室を開くのかとか。その中でも好きなことをよく見て何をやるか選んで経験を積んで行くと良いと思います。
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「フラワースペース」伊藤なお美   ディスプレイやデコレーションは狭き門かもしれません。
私はある意味恵まれていたと思います。
だからやはり将来お花のディスプレイやデコレーションの仕事をしたい方はそれをやっているお店に入ることかと。
この仕事の中でのマナーを学ぶことから始めないと。そうしないと将来的にも人脈がつかめないと思うし、簡単に仕事が取れる世界じゃないので、そういう人について行くことから始めるのがいいんじゃないでしょうか?  確かにディスプレイやデコレーションの表に出る情報は少ないかもしれません。裏方の仕事だから。
でも「カッコいいな」とか「素敵だな」と思うデコレーションを見かけたら、そのショップの方に思い切って聞くのもいいと思います。ある意味褒めているわけだし、きっと教えてくれると思います。

Favorites
[ 好きな色 ]
紫と渋いオレンジ(ロゴマークに使用しているオレンジ)

[ 好きな花 ]
ダリアとシャクヤク

[ 好きな料理 ]
辛いのと甘いもの。
エスニック系の物やケーキ類も大好きですね。

[ 好きな雑誌 ]
「ELLE DECO」
雑誌じゃないんですけど糸井重里さんのサイト「ほぼ日」が好きです。あのワンコ「ブイヨン」が好きで、イライラするとブイヨンの顔を見てなごんでます。 糸井さんの物の見方も大好きです。

[ 好きな場所 ]
ニューヨーク。
ニューヨークは学生の時からずっと行っててホームステイしたりとか。
セントラルパークからブラブラ歩くのが好きなんです。

[ 好きな言葉 ]
感謝。忙しいと忘れがちになったりするので…。(笑)

From Editor
伊藤さんとお会いして第一印象は「さすが元スッチーだけあって美しい方♪」。でも見た目だけではないんです。お話を聞けば聞くほど実力者!すごいお仕事してきているんです!これも全てご自身で築き上げてきたと思うと「たくましい」の一言。インタビューの前の日、雨で心配でしたが、伊藤さんは「晴れ女」だけあって撮影の当日は快晴でした♪(素晴らしい!)
この度はご協力いただきまして、誠にありがとうございました。
■写真左-伊藤さんにむらがるカメラ小僧達
■写真右-トップの写真の後方に実は、自称「あじさい屋」のプロデューサーが・・・(笑)

      〜 フローリストライフ編集長・小林夕希子 〜
「フラワースペース」伊藤なお美




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