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Home > フローリストインタビュー > NO.006 辰巳裕子

神戸でご活躍されている人気フローリストの辰巳さん。東京に来るうわさを聞き、フルールドショコラの古賀さんのお店にいるところを突撃インタビューしました。ヨーロッパで人気のフローリストアレックス・カンビさんが遊びにきたりして、にぎやかで楽しいインタビューとなりました。

Photos : Takumi Sato
  ― 自分探し ―

ずっと、神戸の子供服のアパレル会社でお勤めしていたんです。仕事はとても楽しかったのですけれども、自分探しみたいなのが二十代後半からすごくあって、自分のしたい事を探したいなと思っていたんです。 大学のころからベビーシッターのバイトをしたり、大学では幼児教育の勉強をしていたので、そちらの方向で自分のしたいことを見つけていこうと思っていました。まったくお花の世界は考えていなかったんです。
  お花は大好きでずっとお稽古で習っていました。新しくブーケコースが出来たので、本当に趣味で受けていたんです。ちょうど二十代の後半、友達が結婚ラッシュでブーケを頼まれるようになって、プレゼントで作っていたら、私のブーケを見た全然知らない人からもオーダーが来るようになったんです。 幼児教育よりも自分に合っているかも。楽しそう〜(笑)きっかけはそんなことでした。

― これって仕事になるかも ―

はじめは、趣味の延長でした。お花の教室で一緒だった田代美希、今の相方なんですけれども、彼女もそんなふうに平日お仕事をしながら週末友達のブーケを作ったりしていて、お互い手伝いっこしてたんです。そしたら、会場も・・・とお話があって。「これって仕事になるかも〜」と思って。(笑)
  とても勉強にはなりましたが、その後フランスに入り北から南まで電車で旅をしたんです。その時初めてフレンチスタイルの花装飾に出会い衝撃を!大切なのはセンスなんだなぁ、と実感しました。そして帰国後、勢いに任せてボ・クールを立ち上げました。(笑)
ずっと教えていただいていた先生が、イメージやその人の個性を大切にしていただける方で、レッスンでお花の説明はあるんですけど、「春の野原のように活けなさい」みたいな感じだったんです。型にはまると自分らしさが出ないから・・・って。先生のスタイルは私にはとても合っていたのですが、基礎が自分にないっていうのが、仕事をするに当たってとても不安だったので、まず会社を辞めて、次の日からロンドンにあるジェーン・パッカーのフラワースクールのウェディングコースに行きました。
 

― チームを組んで動く ―

お花の仕事を突然フリーで始めて、最初は不安もあったのですが、会社で宣伝広報の仕事をしていた時に知りあったスタイリストさん、カメラマン、デザイナーさんとレストランウエディングやカタログ撮影、活けこみなど、チームを組んで仕事をする機会に恵まれました。みなさんフリーでお仕事をされていて、いろんな経験をされている。お気楽な私を叱咤激励しながらぐいぐい引っ張ってきてもらいました。仕事の姿勢とかそこで教えてもらいましたね。勉強になる事が多かったです。信頼できる人たちとチームで仕事が出来る環境があったのは本当にラッキーでした。
  ― 資格じゃなくてセンス ―

2年前に念願かなって、パリのお花屋さん「VALDA」でプチスタージュをする事ができたんです。私が行った時はお店がオープンしてまだ3ヶ月!オーナーのジョルジュ・バルダさんは、お花の仕事をしたこともないし、お花の勉強も全くしたことがない方だったんです。でも「センスがよければ花屋はできるって思ったんだ。周りの人間はクレイジーだと言ったけどね」って。それこそ、基礎がないけど、色あわせのセンスや斬新な活け方。本当に勉強になりました。
  オープンからそれほど経っていないのに、すでにフローリスト界では評判になっていて、活けこみも続々とあって。今年からは最高級ホテル「ホテル・リッツ」の専属フローリストに!すごいですよね。 やはり大切なのはセンスなんですよね。 資格とか形にとらわれず、五感を大切にして、自分の感性やセンスを磨く事が大切なんだと改めて思いました。 私が常々、大切にしている事と同じだな、と思って。

― 楽しいことが大切 ―

ボ・クールの生徒さん達や、一緒に仕事している方たち、田代美希を筆頭にみんな楽しい人たちばっかりなんです。そしてパワーがある!屋号は「ボ・クール」なんですけど、みんなに「お気楽隊」って。私、お気楽隊長って言われてるんです(笑)生徒さんは、OLさんや主婦、ご自分でお仕事されている方達。仕事や育児でどんなに疲れていてもお花のレッスンに来てくれるんです。おもしろいからって。大笑いしてストレス解消して帰ってもらうって感じです。
  クリスマスPARTYになると30人ぐらい女ばかり集まって。すごいパワー!怖いですよ。それぞれいろんな事情をかかえていると思うんですが、ボ・クールのレッスンや集まりではみんな超お気楽!こういう仲間がいる事、本当に幸せだと思っています。会う人会う人がみんな、楽しい人たちっていうか…(笑) お花にも出ますからね。楽しく、うん、幸せに。

お花のレッスンなのにね。たまに、レッスンも8年しているので、もうネタがない〜!お休みしたい〜!って思う時もあるのですが、「先生 次はいつですか?早く癒されたい〜」と言われると、お花は簡単に済ませて、後はワインとチーズでワイン会にしちゃったりとか(笑)レッスンの後のボジョレーPARTYの方が人数増えていたりして・・・みんなお花よりそっちの方が好きなんじゃないかな(笑)  

― 昔の着物の色あわせ ―

今すごく気になっているのは「茶花」の、「凜」としたお花の活け方なんです。京都も近いですし、そういうのを見て、イメージやインスピレーションをもらっています。茶花ってとてもシンプルで野にあるように活ける。でも最大限にお花の美しさが表現されている。とっても素敵だと思います。
  それと、昔の着物の色の合わせ方が、今すごく興味ありますね。色の合わせ方が今の着物と違って、原色に反対色の原色を合わせていたりするんですが、組み合わせ方が絶妙で、かっこいいんです。古道具屋さんとかに行って、着物の柄だけぐぁ〜〜って見て帰ってくる(笑)今度こんな合わせ方してみよう、とか思いながら。
  色の合わせ方に関しては、スタイリストさんやカラーアナリストの友達に影響されているところも大きいですね。カラーアナリストの友達はパーソナルカラーを見る仕事をしているんですが、こういう色の服を着たら、顔色がキレイになるとか、色の組み合わせの話とかしてくれるんです。勉強になりますよね。 私、すごい感覚人間なんで、「好き嫌い」「この合わせ方きれい。」みたいな感じで、難しい分析論はぜんぜん分からないんですけど、そういう話を聞くのはすごい勉強になりますね。

― 自然のパワー ―

一年に最低一回はパリの空気を吸いたいんです。お花の勉強だけじゃなくて、美術館や公園を歩いたり、街を歩いている人を見てるだけですごい刺激を受けますしね。パリに行くために仕事している感じ。(笑)普段は、なるべくアンテナをはるようにしています。お花に関連のない人とでも、話すことによって得られるものってたくさんありますよね。
  あと、仕事で煮詰まった時とか、森林浴が足りない!と言って、車を飛ばして六甲山に行ったり。マイナスイオンが足りない!と言って淡路島に行ったり。緑や水の流れって、見ているだけですごく癒されるし、パワーもらえます。神戸は、山があって海がある。恵まれた環境だと思いますね。大好きな街です。 温泉も大好きです。友達とゆっくりおしゃべりしながらの贅沢な時間は明日へのパワーです(笑)

今、相方の田代がコルドンブルーでの仲間とケータリング会社を立ち上げているのですが、 その関係でお料理の先生やパティシエさん、いろんな方と出会うんです。仕事に対する姿勢とか、お料理のデコレーションなどヒントになる事がいっぱいです。  

― 出会いを大切にする ―

フリーで仕事をするようになって、人とのつながりが、すごく大切だなって思います。「出会い」をとても大切にするようになりました。斎藤由美さんとの出会いもそうです。パリで出会って遊びに行くたびにお食事したり、パリスタイルのレッスンをしてもらったり。2004年から定期的に日本でのイベントを企画させてもらっています。お花に関してもですが、人生観など勉強になる事がいっぱい。
  女性としても本当に魅力的で雰囲気がとってもパリ!話し方・声がとてもきれいなんです、斎藤さんのイベントでは彼女のファンがいっぱいできるんですよ。とても尊敬する人です。目標は「打倒!斎藤由美!」斎藤さんからは「倒すな〜!」と言われてます(笑) 今日遊びに来てくれた、アレックス・カンビさんもそうです。彼はこの春から、東京のクリスチャン・トルチュでお仕事をされているのですが、私は5年前の来日の時のイベントですっかりアレックスのファンに。ミラノに行ったら一緒にご飯を食べたり、最近のお花の作品を見せ合いっこしたり。
  昨年、神戸の北野迎賓館でデモンストレーションとスライドショーをしましたがとても好評だったんですよ。そのイベントでもお手伝いしてもらったのですが、今日お邪魔させてもらっている「フルール・ド・ショコラ」の古賀朝子さんとは、パリの語学学校で知り合ったんです。超落ちこぼれの2人でしたが・・・(笑)毎日宿題に追われながらも、お昼からワイン飲んだりして・・・。出会いがどんどん広がって素敵な仕事につながっていく。この仕事を選んでよかったなって思います。

― 夢と目標 ―

2004年にパリに行って、斎藤由美さんと3つ星レストランでの結婚式のお手伝いさせてもらったり、「VALDA」でプチスタージュしたり、アレックスも絶賛するフローリストのカトリーヌ・ミュラーさんのレッスンを受けたり。パリで過ごした3か月は短い期間でしたが、いろんな経験をし、大切な出会いがあり、本当に有意義な時間だったと思うんですね。
  パリの花装飾のスライドショーやデモンストレーションやレッスンなどをパーティー形式で。参加してくださるお客様も少しドレスアップしていらっしゃるんです。日本ではパーティーってあまりないじゃないですか。日本じゃないみたい!とか、忙しいからヨーロッパにお花の勉強に行く時間がなくて・・・ととても好評なんです。これからもこういったイベントをどんどん企画して、大好きなパリの空気感を沢山の人に伝えたいと思っています。

そういうのを少しでも伝えられたらと思って、今年11月「ノエルのPARIS 花めぐりツアー」を企画しました。私が本当に良かったと思ったこと「だけ」を凝縮した内容の濃いスケジュールになっています。これからお花を始めてみたいと思っている方にも、今 忙しくお仕事をされている方にもお薦めです。 これが第一歩になって、ここからさらに世界を広げてもらったらいいかなぁっと思うんです。日本では定期的にヨーロッパで活躍しているフローリストをお呼びして、お花のイベントを開催しています。  

― メッセージ ―

私でもやっています、みたいな(笑)お花がすごく好きっていう気持ちと、これを人に伝えたいっていうそういう気持ち…あとは一歩を踏み出す勇気があれば大丈夫です。 私も最初、好きなものだけは、はっきりしてる。これを伝えたいって言うのはあるんだけれども自信がなくて。
  その時友達に、これから始めるのに最初から自信あってどうすんの、自信はあとから付いてくるんだから、がんばって自分のしたい事をしてみなさい。って言われて、その言葉で背中を押されてフローリストなったんです。勇気を持って一歩踏み出してほしいなって思います。自信がなくても大丈夫。自信は後から付いてきます。 と言いながら私は、8年経った今でも、いつになったら自信が付くのかなって思いながらやってます。(笑)


辰巳 裕子 Yuko Tatsumi
1998年   ロンドン ジェーン・パッカー  フラワースクール ウエディングコース修了書修得
2004年   パリ2区フラワーブティック  VARDAにて研修
パリ デコラシオン・デ・フルールにて ディプロマ修得  

大好きなパリを たくさんの人に伝えたくて、 パリのフローリストをお呼びしての、 デモンストレーションパーティーや、 パリ研修ツアーの企画を行う他、 結婚式などのPARTYの会場装飾など、 フラワーコーディネーターとして活躍。
パリやアメリカで購入した 資材を使ってのレッスンは大人気。
  ■好きないろいろ一言で■

[色]グリーン、白
[食べ物]さくらんぼ
[雑誌]ELLE DECO marie claire maison
[音楽]SMAP 大好き!
[映画] ショコラ 、妹の恋人
[本]江國香織さんの小説
[場所]山・海 自然のあるところ
[言葉]雲水倶悠々
(うんすいともにゆうゆう)

  辰巳さん・古賀さん・アレックスさんの3ショット。抱き合ったり、ジョークを飛ばしたり、本当に仲良しで楽しい雰囲気でした。 お互いのセンスを尊敬しているところも素敵です。


ファンの声 ----------------------------------- 有希さん
6月10日に式を挙げた新米主婦です。 結婚式には辰巳さんにブーケを作っていただきました。 ヘアーセット、メイク、ドレス・・とどんどん花嫁姿になっていき 最後に素敵なブーケを持ったときにはなんとも言えないシアワセな気分になりました。
準備の段階では丁寧に話を聞いていただきました(話の後半は雑談になってしまいましたが・・)。 お花に詳しくない私はイメージだけをお伝えし、あとは辰巳さんのセンスにおまかせでした。 おまかせしてホントよかったと思えるブーケでした☆ ブーケのほかに、手作りしたウエディングベアのまわりにも緑を飾っていただくようお願いしました。 簡単にアイビーなどを飾っていただくつもりだったのですが なんと、6月だからと鈴蘭を置いていただいたり、あまりのかわいらしさに感動しました!! 友達からもらう写真にもたくさん写っていました。 辰巳さんのおかげで他ではなかなか見ることができない私だけのウエディングベアになりとても嬉しかったです。 辰巳さんとお話しているとお花が好きなのが伝わってきて、辰巳さん自身に魅かれていきました。 お花にもその方の人間性がでるのだとしたら、辰巳さんに作っていただいたブーケを持てて本当によかったと思います。 新生活がスタートしましたが、これからお花を飾る心の余裕を忘れずにいたいなと思います。



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