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ピヴェルディ・ドール・パラダイス2006 
準優勝 酒井理江さん 独占インタビュー

ロワールの古城シャトー・ド・ブリサックを会場にして、 世界中から集まった39名のフローリストたちがセンスと技術を競う コンペティション「ピヴェルディ・ドール・パラダイス2006」が 4月6日〜7日に開催されました。
ジュニア部門は、学生が参加。
シニア部門は、プロのフローリストが参加。

なんとシニア部門に日本から参加した酒井理江さんは、 みごと第2位に輝きました。
そんな酒井さんにコンクールを振り返って、 様々なお話をしていただきました。



ロワール地方にあるアンジェという町に「ピヴェルディ」というフラワースクールがあるんです。 私はピヴェルディの東京校でレッスンを受けた関係でコンクールについて教えてもらいました。 自分の実力がどれくらいのものなのかを知るいい機会と思って、おもいきって参加しました。 パリに3日間、アンジェに5日間、そのあとパリに戻って3日間というスケジュールでした。 ちょうどその時、フランスで学生デモがありまして、電車が止まるかもしれないということで、 アンジェには1日早く向かいました。

■くじびき
花材は、ピヴェルディのスタッフが連れて行ってくれる市場で購入しました。 お花はもちろん、オアシスやワイヤーや花瓶などなんでもそろっているんです。 あれもこれもってたくさん買って準備したんですけど、半分ぐらい残っちゃいましたね。 大きい作品の中身は、80cmぐらいのフラットなガラスのベースを使っています。 搬入はお城に車をつけてもらってから、自分達で運びました。 会場が2階で階段だったので、とても大変でした。 搬入とかお掃除とか全部入れて10時間だったので、 結局作っている時間というのは7時間ぐらいだったと思います。 デコレーションは、同じ大きさのテーブルが1人に1つずつ用意されてまして、 それ全体を使って表現しなければなりません。 制作当日にくじ引きがありまして、どのテーブルになるかを決められるんですよ。 偶然なんですけど、1位、2位、3位のテーブルが横一列に並んでいたんですよ! 私はすごくいい場所だなーって思っていたんですけど、 まわりの人は「見比べられるから、不利なんじゃない?」って言っていました。

■ビールでパワーアップ
フランスの方たちは、自分たちで食事の用意をしていたんですけど、 他の国の人たちは、食事のことについて何も聞いていなかったんです。 お城を出て少し上の方に上がると小さな街があって 「そこにパン屋さんがあるからそこで買ってきて食べてください」って言われたんですよ。 まわりの人たちは、みんな制作に集中していて、「お昼なんかいらない」って言ってたんですけど 私と私のアシスタントの子は、街にいきました。 パン屋さんを発見したんですけど、その隣にバール(カフェバー)があったんですよ。 そこに入って・・・ビールを飲んで、パワーアップしました。(笑)

■ピンチがチャンスに
幼馴染のアシスタントは、すごく手際のいい人なので 「細かいアレンジは作ってね!」って彼女に頼んでいたんです。 ところが、当日に「アシスタントはお花をいっさい挿してはいけない」っていうルールを聞きまして、 お花は全部私がやりました。 逆にお花以外の部分で茎がどうしても刺さらない場所があったんですが、 彼女に全部ワイヤーを巻いていただいてすごく助かりました。
一番難しかったのが、花嫁のスカートにあたる部分がベアグラスなんですけれど このベアグラスを80cmの高さ円筒状の花瓶に巻きつけていくんですね。 フラットな花瓶なんで、ベアグラスがつるっと落ちてしまうんですよ。 スチールグラスっていうベアグラスよりも長いものを巻きつけると 上から下までの長さがあるので1回でいけるんですけど、 市場に行ったら「スチールグラスがない」って言われまして急遽ベアグラスを使うことにしました。 ベアグラスの長さは、スチールグラスの2/3もしくは半分ぐらいなので、 たくさん買わなければいけないし、作業も倍になるので大変でしたね。 下かららせん状に2段階にまきつけています。 結果的には、動きのあるおもしろいラインになりまして、ベアグラスでよかったなって思いました。

■モンスター?
他に参加された方たちは、みなさんコンクール慣れしていたんですけど、 私ははじめて参加したので、どういう風に作ったらいいかって、 しばらくは、全くイメージがわきませんでした。 今回のコンペティションのテーマは、「未来のウエディング」。 想像もできないようなテーブル装花をつくってくださいって。 2mぐらいまでの大きい作品を作っていいと聞いてスタイルがひらめいたのです。 ひらめいたイメージは、ウェディングドレス。 花嫁の姿をデコレーションするなんて誰も思いつかないでしょう。 まわりにいくつか置いてある作品は、ケーキをイメージしています。 ウエディングドレスのオブジェは、モンスターのキャラクターみたいになってしまって、 見れば見るほど愛着がわいてしまい、帰りにさよならするのがさみしかったです。

■様々なアイテム
テーブルクロスなんて、あまり身近にないものなので、 とりあえず白でいいかなって、その辺にある布をもっていったんですよ。 ところがフランス人の方たちは、テーブルクロスに色がついたものをもってきていたんですよ。 やっぱりそれだけでも高級感がありますよね。 自分のテーブルクロスがボルドー色だったり、センターラインをシルバーに変えたりしたら、 もっと高級な感じが出せたかな〜って思ったんですけど。 来年、このコンペティションに参加する人には、テーブルクロスについてアドバイスしたいですね。 1位の人の作品のテーブルクロスには、ペッパーベリーという小さな実が張られていて ゲーラックスっていう葉っぱがすごいたくさん、敷き詰めてあったんです。 テーブルクロスや骨組みなど花以外のものでしたら、あらかじめ作ってきても大丈夫なんですよ。 1位の人は、スタートと同時にいきなりこのテーブルクロスをばさっと広げられて瞬間、 「あ〜やられたって」既に負けてるって思いましたね。 でも1位の人は、フローリストとして17年の経歴を持っていたので、さすがに内容的にも濃い作品でしたね。
1位の人は、大道具さんのようにドリルとか脚立とかすごい道具をもってきてたんですね。 私のテーブルの後ろにコンセントがあったので、 「コンセント使っていいですか?」聞かれて「もちろん、いいですよ」って答えたら、 「このドリルいっしょに使っていいですよ」って言われて、ドリルなんかつかわないのに!(笑) 3位の人なんか、いきなり赤キャベツを半分に切り出して、何するんだろう?って見ていたら テーブルの足だったんですね〜 その人のテーブル上の作品、なすが頭から刺さっていたり、よく見るとすごい笑えるんですよ。 でも全体的に見るとすごいかっこよかったんです。 しかもこの作品を作っていたマダムは、すごくおしゃれなメガネをかけて、 素敵な水色の洋服で、作っている姿がすごいかっこよくて見入っちゃいました。

■審査発表会
審査発表会は、お城の中にある豪華なオペラ会場で行われました。 ジュニアの発表の後にシニアの発表がありました。 3位はキャベツの作品で、私が一番好きな作品でした。 2位の発表になって、発表者の校長先生の発音が聞き取りづらくて、 誰を呼んでいるのかよくわかなかったんですね。 私、自分が呼ばれるなんて、思ってもみなかったですから、 ぼーっとしていて、そしたら校長先生が私の方を見てて、 「えっ」て思った瞬間まわりの人が「酒井さん」って呼びかけてくれて。 それであぁーってなりました。 私とアシスタントの彼女と舞台の上にあがって「やっちゃったね」って、 壇上でコメントしなければならなかったので、「信じられません」って一言いいました。 たまたまかもしれませんけど、1位の作品と3位の作品は、入賞するだろうなって感じていたので、 フランスの審査員の方と同じ感覚を持てたという確信ができたことは、大きな自信につながりました。 そして今回の受賞を私の生徒さんたちが一番喜んでくれたことが何よりうれしかったです。

■人と違う発想
私、小さい頃からすごい不器用で、姉はすごい器用だったんです。 子供の頃、熊のぬいぐるみをつくろうっていうことで、 私と姉がいっしょに母に教えてもらいながら作ったんですね。 姉は、目・鼻・口とバランスよくいい場所にもってくるんですけど、 私のは、ひどいバランス(笑) だけど母は「なぜかそれがすごいかわいくて憎めないんだよね」って言っていました。 小学校の時の図画工作で「こういうことやりなさい」って言われた時も 言われた内容と違う風に受け止めてしまって、 できあがった作品を見た先生は、「こういう発想おもしろい」って言ってくれたり。 そういうことは、よくありました。
海外へ行った時なんかは、みんなが行くような観光名所には行かなくて、 誰も行かないような道を通って、お気に入りの場所を見つけたりするのがすごい好きなんですよ。 フランスには、お花の留学でちょこちょこ行ってます。 もともと南フランスの方に語学留学に行っていてホームステイしたり、 お花の留学でフランスにはちょこちょこ行っています。 私自身は、南の田舎町が好きです。 感性を磨くものは、お花だけではないと思うんですね。 ホームステイした先のお家がインテリアに凝っていて、 毎日お花を飾っていたりとかダイニングに海の見えるテラスがあったりして、 海の前で食事をしたりして最高でした。 学校に行く時、2つに分かれる道があって右へ行くと学校、左へ行くと海へつながる道だったんですけど、 気がつくと左へ行って、海を眺めながら本を読んだりして学校さぼっていました。(笑) そういった様々な経験をして、都会では味わえない勉強ができたと思います。 今思うとそういった経験が全部、アレンジメントに役に立っていると思います。

■楽しむことが一番!
母親がいけばなを教えていたのと、姉がフラワーアレンジメントをやっていたことが きっかけだったんですよ。 姉のフラメンコのきっかけは、私のほうがはじめに火がつきました。 今、姉と私は逆転しているんですけど、お互いに導いてくれたのかなって思っています。 実は今年、姉とコラボレーションしてイベントを企画していまして、 姉がフラメンコを踊っている感じを隣でフラワーアレンジメントで表現するっていうことを やろうとしています。アレンジメントしているところを見せるっていう・・・とっても楽しみです♪
今回、賞をいただけた一番の原因は、楽しんでやったからだと思うんです。 これからフローリストを目指す人は、ぜひ楽しんでやっていただきたいと思います。




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